お酒・肝機能が気になる方へ

健康診断でAST・ALT・γ-GTPなどを指摘された場合は、症状がなくても検査結果を持って医療機関で評価を受けることが大切です。健康食品を診察や検査の代わりにはできません。

緊急症状がない通常時は、上飯田薬局の薬剤師が、飲酒の記録、服用中の薬、漢方薬、サプリメント、健康食品を一緒に整理できます。このページでは、医療を優先する目安と、日常で確認できることを順に案内します。

吐血、真っ黒い便、意識の異常、けいれんや強い混乱がある場合は、LINEの返信を待たず119を利用してください。 詳細は緊急対応の目安にまとめています。

目次

  1. 健診結果は症状がなくても確認する
  2. 飲酒量を純アルコール量で記録する
  3. 飲酒だけに原因を決めない
  4. 今日から見直せること
  5. 「体質」を相談で使うときの考え方
  6. 上飯田薬局で薬剤師が確認すること
  7. よくある質問
  8. 薬剤師への相談
  9. 関連する商品情報
  10. 購入を考える場合
  11. 薬局だけで様子を見ない目安
  12. 参考情報

健診結果は症状がなくても確認する

肝臓の病気には、自覚症状が乏しいまま進むものがあります。「痛くない」「お酒に強い」と感じることだけで、肝臓の状態を判断することはできません。

AST・ALT・γ-GTPなどは、どれか一つだけで病名を決める検査ではありません。以前からの変化、ほかの検査結果、持病、服用中の薬などを合わせて医師が評価します。

日本肝臓学会「奈良宣言2023」では、健康診断などでALTが30 U/Lを超える場合、まずかかりつけ医等を受診することを案内しています。この値だけで肝疾患を自己診断するのではなく、受診のきっかけとして扱います。

飲酒量を純アルコール量で記録する

同じ「一杯」でも、容器の大きさとアルコール度数で、体に入るアルコール量は変わります。まずは酒類、容量、度数、本数、飲んだ時刻を、普段どおりに記録します。

厚生労働省「健康に配慮した飲酒に関するガイドライン」では、純アルコール量を次の式で示しています。

純アルコール量(g)=摂取量(mL)×アルコール濃度(度数÷100)×0.8

例:アルコール度数5%のビール500mLは、500×0.05×0.8=20gです。

20gは、誰にとっても安全という境界ではありません。飲酒による影響には、年齢、性別、体質、病気、服薬などによる個人差があります。計算結果は、自分の飲酒量を同じ基準で把握し、医師や薬剤師へ伝えるために使います。

飲酒だけに原因を決めない

食事、体重、血糖や脂質

体重の変化、食事、血糖や脂質などが肝機能の評価に関係することがあります。飲酒だけを見直せばよいと決めず、健診結果全体と生活の変化を医師へ伝えます。極端な食事制限は勧めません。

薬、漢方薬、サプリメント、健康食品

医薬品だけでなく、漢方薬、サプリメント、健康食品も確認が必要です。PMDA掲載の重篤副作用疾患別対応マニュアル「薬物性肝障害」には、薬や健康食品の使用状況を確認する重要性が示されています。商品名、使い始めた時期、使用量が分かるものを医師・薬剤師へ見せ、処方薬を自己判断で中止・増減しないでください。

飲酒をコントロールしにくいとき

予定した量で止めにくい、朝から飲む、飲まないと手の震え・汗・強い不安などが出る場合は、意志の弱さだけで説明できません。厚生労働省「アルコール健康障害対策」などの情報を参考に、医療機関や地域の相談窓口へつなぐことが大切です。離脱症状が出る方は、自分だけで飲酒量を急に変えず、早めに専門の医療機関や地域の相談窓口へ安全な進め方を相談してください。

今日から見直せること

  1. 実際に飲んだ量を記録する:酒類、容量、度数、本数、時刻をそのまま残します。
  2. 飲む前に量を決める:家に多く買い置きしない、最初の飲み物をノンアルコールにするなど、続けやすい方法を選びます。
  3. 飲まない日を設ける:予定に入れて試します。難しい場合は、自分を責めず相談材料にします。
  4. 食事と一緒にゆっくり飲む:空腹のまま短時間に飲まず、合間に水やノンアルコール飲料をはさみます。
  5. 飲酒後の行動を見直す:飲酒中・飲酒後の入浴や激しい運動、眠るための飲酒は避けます。

これらは、厚生労働省の健康に配慮した飲酒に関するガイドラインに沿った確認です。特定の方法による肝機能値の改善を保証するものではありません。医師から飲酒や食事について個別の指示がある場合は、その指示を優先します。

「体質」を相談で使うときの考え方

上飯田薬局では、今ある問題への適切な対処を大切にしたうえで、食事、睡眠、便通、疲れ方、ストレス、飲酒、服薬なども一緒に整理します。

ここでいう「体質」は、病名や原因を確定したり、固定的なタイプに当てはめたりする言葉ではありません。東洋医学で使う「肝」も、現代医学の肝臓や肝機能検査と同じ意味ではありません。体質の見立てで健診結果を説明したり、診察・検査を置き換えたりはしません。

上飯田薬局で薬剤師が確認すること

  • 飲んでいる酒類、容量、度数、本数、飲む日と時間帯
  • 予定した量で止められるか、減らしたときに体調変化があるか
  • 健診の結果票と、分かる範囲で過去からの変化
  • 食事、睡眠、体重、持病、これまでの受診歴
  • 処方薬、市販薬、漢方薬、サプリメント、健康食品
  • 薬の重複、使い方、副作用について確認したいこと

薬剤師は、情報を時系列で整理し、薬や健康食品の確認点、医師へ伝える内容、医療を優先する目安を案内できます。肝疾患や依存症の診断、血液検査、処方治療を行うものではありません。

よくある質問

休肝日があれば、飲む日は自由に飲んでよいですか?

飲まない日を設けるだけでなく、一回に飲む量と全体の飲酒量も記録します。純アルコール量の計算は、前の「飲酒量を純アルコール量で記録する」で確認できます。

健康食品で、飲酒の影響を帳消しにできますか?

健康食品を、飲酒の影響や健診異常の診察・検査の代わりにはできません。使っている商品があれば、商品名や原材料が分かるものを医師・薬剤師へ見せてください。

顔が赤くならないので、お酒に強いと考えてよいですか?

顔の赤くなり方だけで、肝臓への影響や自分にとって安全な飲酒量は判断できません。実際の量と体調を記録して相談材料にします。

健診の数値は何科に相談すればよいですか?

まずはかかりつけの内科へ結果票を持参できます。必要に応じて、消化器内科や肝臓を専門とする医療機関が検討されます。

緊急症状がない通常時は、薬剤師と整理できます

飲酒の記録、健診結果、処方薬、市販薬、漢方薬、サプリメント、健康食品を一緒に確認し、医師へ伝える内容や薬の確認点を整理します。相談の結果、商品を勧めず医療機関を優先する場合もあります。

LINE・通常の電話は緊急窓口ではありません。吐血、黒い便、意識の異常などがある場合は、このあとの緊急対応を確認し、薬局の返信を待たないでください。

薬剤師にLINEで相談する

電話:052-981-6002

関連する商品情報を確認するとき

漢方薬、一般用医薬品、サプリメント、健康食品は、商品区分も表示できる内容も異なります。健診結果、肝臓の病気、飲酒状況、処方薬、市販薬、ほかの健康食品を確認し、医薬品は承認された効能・効果と使用上の注意に沿って検討します。

「肝臓に良い」「飲酒の影響を帳消しにする」などの期待だけで商品を選ばず、健康食品を診察・検査や飲酒量の見直しの代わりにしません。

購入を考える場合

相談後、使用が適切と確認できた商品がある場合に、商品情報と利用できる購入方法をご案内します。健診異常や体調変化がある場合は、商品を案内せず、先に医療機関での評価をお願いすることがあります。

薬局だけで様子を見ない目安

緊急症状がない通常時は、上飯田薬局で飲酒記録、健診結果、薬、健康食品を整理できます。一方、安全のため、薬局だけで長く様子を見ない状態を二段階で確認します。

早めに診察・検査を考える状態

  • 健康診断でAST・ALT・γ-GTPなどを指摘された、または前の健診結果の受診目安に当てはまる
  • 皮膚や白目が黄色い、お腹が張る、食欲低下や強いだるさが続く
  • 薬、漢方薬、サプリメント、健康食品を始めた後に、体調や肝機能値が変わった
  • 予定した量で止められない、朝から飲む、飲まないと手の震え・汗・強い不安などが出る

健診結果や使っている薬・健康食品が分かるものを持って、かかりつけ医等へ相談してください。飲まないと症状が出る方は、自分だけで飲酒量を急に変えず、専門の医療機関や地域の相談窓口に安全な進め方を相談します。

すぐ緊急対応を使う状態

次の場合は、上飯田薬局のLINEや通常の電話相談の返信を待たず、119を利用してください。

  • 血を吐いた
  • 真っ黒い便・タール状便が新たに出た、または便に血が混じる
  • 意識がもうろうとしている、呼びかけへの反応が悪い、急に著しく体調が悪化した
  • 飲酒を減らした、または止めた後に、けいれん、幻覚、強い混乱・意識障害がある

日本消化器病学会・日本肝臓学会「肝硬変ガイド2023」は、吐血や黒い便につながる消化管出血が大出血やショックの原因になり得ることを説明しています。総務省消防庁の「救急車を上手に使いましょう」も、便に血が混じる、または真っ黒い便が出る場合を、ためらわず救急車を呼ぶ症状として案内しています。厚生労働省の「アルコールと依存」は、重症の離脱で幻覚やけいれん発作が起こる場合があるとしています。

名古屋市内で、明らかな緊急ではないものの救急車を呼ぶか今すぐ受診するか迷う場合は、救急安心センターなごや(#7119)(つながらない場合は 052-951-7119)へ相談できます。明らかな緊急時は#7119を挟まず119を利用してください。

参考情報

参考情報確認日:2026年9月3日

このページは一般的な情報の提供を目的としており、個別の診断・治療を行うものではありません。
執筆・薬剤師確認:上飯田薬局 薬剤師 伊藤 正
最終確認日:2026年9月3日